早朝の新宿で撮った写真についてkoutalou氏に
「どうやったらこの色が撮れるんだYO!?!? 」
と、撮る気も無いだろうに聞かれたので、ちょっと自分なりのノウハウなどを。。
基本的に、これは一眼レフカメラで、しかも明るいレンズ(暗い場所でも良く撮れる)を使ったので、こういう風に撮れたのだと思います。しかし、ほとんどのコンパクトデジタルカメラにはこういった「明るいレンズ」というのが搭載されていないため、そのままだとこういう写真を撮る事が難しいです。
じゃあコンパクトデジタルカメラではこういう暗い場所での風景写真は撮る事が出来ないかというと、そういうことでもなく、それを可能とする技として、長時間露光があります。(以下、レンズの明るさで多少有利という言う以外は、一眼レフでも同じですが・・・。)
これは、通常だと一瞬であるはずのシャッターの開け閉めを長時間行うことによって、少ない光を集めて、感光させるというものです。今だと、ほとんどのコンパクトデジタルカメラでマニュアル設定で露出時間を設定できるので、これを利用します。
(ちなみに、レンズが明るさというのはf値というもので表されて、f値が小さいほど明るいレンズとなります。この写真を撮った時に使用していたレンズはf=1.6に対し、一般的なコンパクトデジタルカメラは最小でも大体f=3程度となります。)
どのくらい長さシャッターを開け続けておけば良いかは、その都度試して見るべきですが、例えば上記の写真をコンパクトデジタルカメラで撮ろうとした場合、f値で言うところの1.6から3.0くらいの明るさを埋めなければなりません。
露出時間の比=レンズのf値の比の2乗
という関係式が成り立つので、今回の例だと、(3.0/1.6)^2 = 3.5 倍程度の露出時間が適切となります。
上記の写真はデジタル一眼レフで露出時間=0.1秒で撮ったので、一般的なコンパクトデジタルカメラだと大体0.35秒となります。
シャッターを開きっぱなしにして露出させることで、暗い場所でも綺麗に写真が撮れるということでしたが、少し問題もあります。
- 手ブレしやすくなる
これは長時間露光しているので、普段の一瞬のシャッターと比べて手ブレに影響されやすくなるためです。対策としては、以下の通りです。
- 手で持つのではなく、どこかに置いて撮影する
- 撮影ボタンを押す時にもブレるため、セルフシャッター機能を使い、カメラに手が触れてない時に撮影する
- 動くものは撮れない
これも長時間露光なので、基本的に「動くものの一瞬を切り取る」という考え方は無理で、風景などを撮ると割り切るしか無いでしょう。もしくは、ちょっとありがちな例ですが、あえて動くものを長時間撮影し、「車のライトを帯状にする」、「理科の教科書にあるような、星が北極星を中心に動いている軌跡を線にする」などの発想でいくしか無いです。
- ISO感度を低くしないとノイズが乗る
デジタルカメラでは、普段では、シャッタースピードを上げる為に、多少のノイズ(ザラつき)を犠牲にして、ISO感度を高くしています。しかし、今回のようにシャッタースピードを意図的に下げている場面では、ISO感度を上げる意味は特に無いので、設定可能な一番低い値にして、暗部に発生するノイズを低減する必要があります。
というような、本来のコツを実行する際に生じる副次的な問題を解決する為のコツもあると思います。ここまでくると、もうケースバイケースで、その時にいろいろアドリブで考えるしか無いんですが、とりあえず紹介してみました。