アンディ・ウォーホル展:永遠の15分

TNFC2014の翌日。本当は決勝を観戦しに行こうかと思っていただけど、大雪で電車の運行も不安定だったので、近場へということで、気になっていた展示に行った。ベルベットアンダーグラウンドの部屋が面白かったな~。

展示を見終わったらビール飲み。

東京快晴摂氏零度。

アンドレアス・グルスキー展に行った日

ホンマタカシファンとしてはマストでしょうということで、六本木は国立新美術館で展示されているアンドレアス・グルスキー展(個展では日本初なんだね〜!)に行ってみたり。

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超高精細と超広角が同居することで感じる違和感を楽しむ感じ?笑 人間の視野ではあり得ないし、従来の一眼レフカメラではあり得ないようなパース。まぁ最近はiPhoneやサイバーショットでもソフトウェア的にスライドさせて超広角画像とか撮れるようになって、そういう意味では免疫がついたとはいえ、なんとも不思議な気分になるような写真満載でした。広いんだけど細かい、俯瞰的なのにメタじゃない、不思議な構図。

超広い画角なのに、どこもピントが合っていて、まんべんなく強調されている感じ。たとえば今回も展示されている有名な東京証券取引所の写真なんかは、一瞬、

「これはミニチュアを作成して、それを覗き込んで取ったのかな?でないと、ありえないなこのパースは。」

と思うんだけど、いざその仮定で見てみると、今度は証券マンひとりひとりの指のサインとか、表情とか、あまりにリアルで、

「やっぱりミニチュアじゃなくて本物でしかありえないな。」

と、つじつまが合わなくなって、現実のスケールに戻される。こうやって作品を見ているうちに、何回もその被写体のスケールを調整しだすことを無意識にやってしまって、その混乱具合がまた不思議な心地よさがあるのだな〜と。このアプローチを具体化したのが本城直季のsmall planetかもしれん。気になるのが、普段、「このレンズの焦点距離が〜」とか「周辺部の解像度が〜」とかって言ってる人ってこういう写真みたらどういう感想を頂くんだろう?

9月16日までなので、行ってない写真好きの人は、是非。

あと、倉見に遭遇した。笑

瀬戸内国際芸術祭2013(その7)

そこはいわばゲストハウスであって、他にどんなメンバーが宿泊しているかはわからないといった状況だった。

モーターボートに同席したメンバーとは無言だった。

直島から100mほど離れた向島についた。

向島集会所につくと、そこは日本的な宿というよりかは、ドミトリーだった。

つまりは、寝床はあるけども、基本的な飲食物などは自分たちで調達するというスタンスである。今回の場合、旅の雰囲気としてはあっていたのでよかった。どちらかというと、至れりつくせりというほうが違和感があったのではと思う。

芸術に興味のある女子高校生達のグループが両親の許しを得て旅をしていたり、4月から社会人という大学生が一人寂しく卒業旅行をしていたり、よくわからんニートのオッサンが18切符でここまで来ていたりしていた。とにかく、みんなまともな人間じゃないように思えた。

そんななか、芸術とはまったく関係なく、女子高生達が

私たちはどうやったら男子にモテるか

と俎上に載せる。

きっと人生で一度もモテキが来た事もないであろうニートのオッサンが何やら熱弁をふるっている。

どうでも良いと思いつつ、就寝。

瀬戸内国際芸術祭2013(その6)

向島集会所は、直島から100m沖合にある離島の小さなゲストハウスだ。キャンセル待ちが空いたという連絡と一緒に、夕方にその日の晩ご飯の食材を買いに直島にボートを出すから、その時に拾って島まで連れて行ってくれるとのことで、ありがたく了承した。

宿も決まり、いよいよ本日のクライマックスである直島の地中美術館へ赴いた。クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が、パーマネントコレクションとして設置されていた。感想を述べる言葉を持っていないので、こればっかりはしょうがない。。一つ言えるなら、一生モノの経験だった。

本町港に待ち合わせの時間に行くと、ゲストハウスのオーナーらしき人が迎えに来てくれていたので、そのまま数人の宿泊者と一緒に向島集会所に向かった。

モーターボートである。100mほどの距離なので、移動時間としては3分くらいだろうか。ゲストハウスで過ごす、その日の夜がどんなものになるかを考えながら、やけにその3分間が長く感じられた。

(つづく)

瀬戸内国際芸術祭2013(その5)

もう随分と時間が空いてしまったが、途中であったし、某夫婦も直島と豊島に行って来たようなので、触発されて書く。李禹煥美術館の後は、何といっても地中美術館に行っておかないとならないだろうという事で、整理券をとりにいった。瀬戸内国際芸術祭の開催期間中ということもあって、やはり相当混雑していて、2時間半待ちとなった。その間は琴反地エリアとベネッセミュージアムに行った。

ベネッセミュージアムは李禹煥美術館と同様に安藤忠雄設計のものだが、やはり特徴として、外と内を、曖昧にしたというか調和させたというか、そういった印象を受けた。ミュージアムと名前はついているが、それそのものが、島内の海岸の形や気候、集落や風土を使ったインスタレーションだ。

そしてこの辺りから、外国人観光者の割合が極端に高くなる。やはり国内よりは国外で有名なサイトなのかもしれない。

そうこうしているうちに、キャンセル待ちをしていた向島集会所から電話がかかり、今夜宿泊可能であるという連絡をうけた。

(つづく)

瀬戸内国際芸術祭2013(その4)

直島バーガーは、揚げたてのハマチのフライにレタス、それにタルタルソースが効いて、とても美味しかった。

昼ご飯を食べた後は、本町地区の家プロジェクトを鑑賞した。

直島はすっかり有名になってしまったが、町をじっくりと歩いてみると、ところどころ地元の人が暮らしていてる生活の匂いが感じられた。もしかしたら、直島が休島日である月曜日、もっと言えば、芸術祭の開催期間外にくれば、ケの日である直島が見れて、それはそれで、島民と芸術の位置づけ合いが見れて良いのかもしれないと感じた。

家プロジェクトを見終わったあとは、李禹煥美術館に向かった。実は、李禹煥の作品は、2年くらい前に新宿のオペラシティでホンマタカシの「ニュー・ドキュメンタリー」の展示を見に行った時に、同じギャラリーの中で収蔵品展という形で展示されていて、見た事があった。

安藤忠雄によって設計された李禹煥美術館も、山の谷間と瀬戸内海に挟まれた、風がざわめくような奇妙な場所に、「今朝、空から落ちてきました」と言うようなオブジェとともにあった。建物は、安藤忠雄らしいコンクリート打ちっぱなしの壁面に囲まれながら、どことなく島の中に進む洞窟に入って行っているような、押し入れの中のような不思議な閉塞感がある空間だった。

(つづく)

逗子海岸映画祭2013に行った日

去年に続いて、今年も逗子国際映画祭に行った。浜風にふかれながらセッションしたり、疲れたらビールを飲んでチルしたり。ゆったりと浜辺で時間を過ごしてリラックスできた。春でも夏でもないようなこの季節の気候がまた良い。こんなに素晴らしいイベントで、しかも映画が始まる時間まで入場無料。来年あたりはもう火がついて人が溢れてしまったりするのではと心配だけど。


頑張るアベ君。


頑張れナオハル君。

ひとしきり遊ぶと日は沈んで周囲は暗くなり、ショートフィルムの上映が始まった。まずは今回のスポンサーであるThe North Faceがサポートするオンスノームービー。まず1本目は、去年の「THIS IS MY WINTER」に引き続いて、ザビエル・デラ・ルーからの作品「WHITE NOISE」。前作でも既に命がけのもの凄い映像を残していたけど、今回はそれ以上だった。全部見る時間が人は4分14秒の稜線からのB/Sを見れば、どれだけあり得ないことをやっているかがわかると思う。

WHITE NOISE – FULL Movie from TimeLine Films on Vimeo.

2本目は、今度は高久智基ら日本人のライダーがアラスカのへインズで10日間氷河でキャンプし、周囲の山々でスノーボーディングの映像を撮るということ自体を記録したドキュメンタリー「STOVE」、映像を見る限り、滑りのパートも少ないし、様々なトラブルがあって、決して100%計画通りではなかったようだった。だけど、その中での滑りや撮影へのこだわりが見え隠れして感動した。

Stove from THE NORTH FACE JAPAN on Vimeo.

最後はアベ君がとても見たがっていた「ROCK TRIP 2013」、これは自分はどんなものかは知らなかったんだけど、ボルダリングのショートフィルム。人間ってあんなところ登れるんですね。Jazzy SportなBGMもカッコいい動画だった。

本当に良いイベントだった。直前に誘ったにもかかわらず来てくださった皆様ありがとうございました。

瀬戸内国際芸術祭2013(その3)

(厳密には、まだ濃厚なキャンセルを待っている状況であって、予約は完了していないのだけども)その日の夜を屋根の下で寝る事ができるのでさえあれば、それ以外は特に気にする事は無いという気持ちになった。これは登山を趣味にしてからだと思うが、一人旅の場合、寝床とする場所のハードルが極端に下がった。風雨がしのげて暖かい場所で横になれるのであれば基本的に文句は無い。一旦のところ宿探しをやめて、直島を散策することにした。歩いて回るのもバスに乗るのも気が進まなかったので、宮浦港付近のレンタサイクル屋をいくつか当たってみが、自転車は既に出払っていた。あるレンタサイクル屋で偶然空いていた原付があったので、それこそ学部時代ぶりに原付に乗ってみるのも良いかもなと思ってvinoを借りた。
学生時代の話をするなら、原付はいつだったか、車の免許をとった後に購入した。古いgiornoだったが、古さゆえに規制前の2stで、当時売れていた4stのtodayなどに比べて、やけにトルクがあったのが印象的だった。結局、学部卒業時に廃車にしてしまったが、部屋を引っ越すよりも悲しかった記憶がある。いろいろな所に行ったもんなぁ。

話を戻すと、直島を巡ったのだ。結果、最初に直島で出会った作品は、大竹伸朗の「はいしゃ」になった。かつて歯科医院兼住居であった建物を作品にしたものだったが、まぁ、とにかくスクラップだった。自分の周囲にはWeb好きが多いので、その人達向けに例えるならば、「tumblrを家にしてみた」というような、とにかくメチャクチャな建築物だった。外は撮影できたが、中は禁止であったので、興味がある人は見に行ってもらいたい。大竹伸朗の「多様を良しとする感」は、あくまで自分の感想ではあるが、人間の好みというものそれそのものがドキュメンタリーである、という主張であるように感じられた。そのくらい「何でもアリ」であった。

次に原付で移動していると、巨大なゴミ箱が目前に現れた。

なんぞという感じで、とにかくその大きさに驚いた。周囲の木の高さからすると、3〜5mくらいで、面食らった。

その後、NAOSHIMA PLANという展示を見た。この展示では、今回瀬戸内芸術祭に出典しているアーティストの建造物のうち、瀬戸内や六甲山に建築されたものが、どのような観点で建てられたか、特に、四季の移り変わりによってそれらがどのように見えるように計算されたかというネタバレを含むような展示であった。そこには1/50程度の建造物の模型があって、それが四季や日の移り変わりによってどのように見えるかというシミュレーションを、相当の位置にセットされた電球をつけたりしながら確認できるというような展示であり、アーティストたちがメタの立場で解説を行なっているような、新鮮な展示であった。

そうこうしているうちに昼頃になったので、ひとまず家プロジェクトの多くが存在する本村地区に向かった。そこで一番最初に目に入った「直島バーガー」という文言にひかれて、そこで地図を広げて今後の行動計画を立てながら、昼食をとった。

うま。

(つづく)

瀬戸内国際芸術祭2013(その2)

直島行きのフェリーチケットを買ったはいいが、どうやら船は45分〜1時間に1本程度で、時間はいきなり大きく余った。ここらへんは計画を立ていればいいだろうけど、一人で気ままに思いついたまま行動をすること決めていたので、予定を決めることができない。四国まで来たのに今日の宿すら決めていないし、そもそもいつ東京に帰るのかも決めていない。しばらくは天気もいいので高松港周辺を散策してみることにした。

何やらカラビナのような、潔くて端整な彫刻を発見。海と空の青が真ん中の穴から見える。作品名を調べると、「MATAKITENO」というものだった。今来たばかりである。どうやら流政之という、MoMAのパーマネントコレクションに選ばれるような、世界的に有名な彫刻家の作品らしかったが、不勉強でありまったく知らず。そうこうしているうちに、10時14分に高松港出発のフェリーに出発時間が来た。

大体1時間くらい乗船していた。甲板で地図を開いて、島をどのように回ろうかと考えていたら、突風に地図が飛ばされてしまった。偶然通りかかった外国人の女性に捕まえてもらえたからよかったが、地図が無ければ、それはそれで不思議な旅になっていたのかもしれない。周囲の乗客を見渡すと、外国人バックパッカーが2割、大学生くらいの卒業旅行と思われる男女グループが4割、残りは恋人同士か、老夫婦、あとは自分のような一人で旅をしているような日本人客がいた。地図を拾ってくれた外国人の女性に話しかけてみると、どうやら瀬戸内国際芸術祭に合わせて来日して、1週間ほど滞在するとのことだった。そんなに有名なものなのか、それとも、よっぽどこの女性がコアな安藤忠雄フリークか、どちらかと思った。

直島についた後、とりあえず目の前にあった草間先生の赤カボチャにねじよった。想像以上に大きい。

この時、宿やご飯の情報を得るために、ジオタグ的に付近にいる人達を片っ端からtwitterフォローしていたところ、どうやらたった今写真をとってくれた人をフォローしたようだった。旅は面白い。

https://twitter.com/emiiiiiik/statuses/316854649686720513

こんな瀬戸内海の小さな島でも、六本木のルイヴィトンでもある一定の印象を受けてたのが面白かった。ひと通り宮浦港近辺の作品を見終わったあとは、流石に今日の宿を決めなければならなかったので、港にある観光案内所にて今夜の宿を探したが、ハイシーズンということもあり中々見つからない。一人旅用のゲストハウスやドミトリーは、外国人バックパッカーに人気の様子で、唯一向島集会所をキャンセル待ち予約とすることになった。果たして今夜の寝床はどこになるのか心配ではあったが、気温は暖かいし、最悪エマージェンシーシートでもかぶって砂浜に寝ればいいだろうと思い、直島を巡ることにした。

(続く)

瀬戸内国際芸術祭2013(その1)

とにかく、気がついたら四国は高松港から直島に向かうフェリーの甲板でフランス産のオレンジジュースを飲んでいた。そのくらい思いつきで出発した旅だったけど、それでも旅には出会いがあるし、思い出が残る。大きなフェリーは瀬戸内海の波ではまったく揺れず、追いかけてくるカモメや、瀬戸内海に浮かぶ島々、水平線のすぐ上に見える雲をファインダーからのぞきながら、シャッターを切っていた。

折角なので、2013年の春に瀬戸内の島々で色々なアートと出会ったことを記録に残そうと思う。

3月27日、東京駅八重洲口から夜行バスに乗った。夜行バスは大学4年生のときの大学院入試以来で、4列シートの窓際で、どうも単位時間中に同じような回数のバスの揺れが平均的に訪れ、どう頑張っても眠れないので、ずっとrei harakamiなどを聴きながらウトウトとしていた。

高松港には朝の8時30分に到着した。これから神戸や大阪に向かうのか、フェリー乗り場には就職活動中らしき学生たちが沢山いた。自分はリフレッシュ休暇中の平日だったことを思い出して、なんとなくソワソワとした。そもそも、今回は瀬戸内国際芸術祭2013のために高松まで来たが、折角なので讃岐うどんを食べたくなったので、その場で食べログで調べて、近くにあったうどん屋「味庄」にてきつねうどんを食べた。讃岐といえばコシの強い麺という印象があるが、ここのお店はそこまで固くなく、そのかわりに強烈ないりこダシの風味が楽しめた。東京に住んで5年近くになるが、やはりこの手のダシは関西風に限る。食べ終えた後は店主に挨拶をして、直島行きのフェリー乗り場の場所を教えてもらい、店を後にした。途中、コンビニで芸術祭の年間パス用のチケットとオランジーナを買って、港に向かった。

芸術祭ムードは高松港でも高まっている。至る所にのぼり旗や横断幕を見ることができるし、芸術祭を見に来たと思われる外国人バックパッカーなども多かった。大巻伸嗣のLiminal Air -core-と快晴の空を見上げながら、きっと良い旅になるに違いないと思っていた。

(続く)