瀬戸内国際芸術祭2013(その3)

(厳密には、まだ濃厚なキャンセルを待っている状況であって、予約は完了していないのだけども)その日の夜を屋根の下で寝る事ができるのでさえあれば、それ以外は特に気にする事は無いという気持ちになった。これは登山を趣味にしてからだと思うが、一人旅の場合、寝床とする場所のハードルが極端に下がった。風雨がしのげて暖かい場所で横になれるのであれば基本的に文句は無い。一旦のところ宿探しをやめて、直島を散策することにした。歩いて回るのもバスに乗るのも気が進まなかったので、宮浦港付近のレンタサイクル屋をいくつか当たってみが、自転車は既に出払っていた。あるレンタサイクル屋で偶然空いていた原付があったので、それこそ学部時代ぶりに原付に乗ってみるのも良いかもなと思ってvinoを借りた。
学生時代の話をするなら、原付はいつだったか、車の免許をとった後に購入した。古いgiornoだったが、古さゆえに規制前の2stで、当時売れていた4stのtodayなどに比べて、やけにトルクがあったのが印象的だった。結局、学部卒業時に廃車にしてしまったが、部屋を引っ越すよりも悲しかった記憶がある。いろいろな所に行ったもんなぁ。

話を戻すと、直島を巡ったのだ。結果、最初に直島で出会った作品は、大竹伸朗の「はいしゃ」になった。かつて歯科医院兼住居であった建物を作品にしたものだったが、まぁ、とにかくスクラップだった。自分の周囲にはWeb好きが多いので、その人達向けに例えるならば、「tumblrを家にしてみた」というような、とにかくメチャクチャな建築物だった。外は撮影できたが、中は禁止であったので、興味がある人は見に行ってもらいたい。大竹伸朗の「多様を良しとする感」は、あくまで自分の感想ではあるが、人間の好みというものそれそのものがドキュメンタリーである、という主張であるように感じられた。そのくらい「何でもアリ」であった。

次に原付で移動していると、巨大なゴミ箱が目前に現れた。

なんぞという感じで、とにかくその大きさに驚いた。周囲の木の高さからすると、3〜5mくらいで、面食らった。

その後、NAOSHIMA PLANという展示を見た。この展示では、今回瀬戸内芸術祭に出典しているアーティストの建造物のうち、瀬戸内や六甲山に建築されたものが、どのような観点で建てられたか、特に、四季の移り変わりによってそれらがどのように見えるように計算されたかというネタバレを含むような展示であった。そこには1/50程度の建造物の模型があって、それが四季や日の移り変わりによってどのように見えるかというシミュレーションを、相当の位置にセットされた電球をつけたりしながら確認できるというような展示であり、アーティストたちがメタの立場で解説を行なっているような、新鮮な展示であった。

そうこうしているうちに昼頃になったので、ひとまず家プロジェクトの多くが存在する本村地区に向かった。そこで一番最初に目に入った「直島バーガー」という文言にひかれて、そこで地図を広げて今後の行動計画を立てながら、昼食をとった。

うま。

(つづく)

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