瀬戸内国際芸術祭2013(その1)

とにかく、気がついたら四国は高松港から直島に向かうフェリーの甲板でフランス産のオレンジジュースを飲んでいた。そのくらい思いつきで出発した旅だったけど、それでも旅には出会いがあるし、思い出が残る。大きなフェリーは瀬戸内海の波ではまったく揺れず、追いかけてくるカモメや、瀬戸内海に浮かぶ島々、水平線のすぐ上に見える雲をファインダーからのぞきながら、シャッターを切っていた。

折角なので、2013年の春に瀬戸内の島々で色々なアートと出会ったことを記録に残そうと思う。

3月27日、東京駅八重洲口から夜行バスに乗った。夜行バスは大学4年生のときの大学院入試以来で、4列シートの窓際で、どうも単位時間中に同じような回数のバスの揺れが平均的に訪れ、どう頑張っても眠れないので、ずっとrei harakamiなどを聴きながらウトウトとしていた。

高松港には朝の8時30分に到着した。これから神戸や大阪に向かうのか、フェリー乗り場には就職活動中らしき学生たちが沢山いた。自分はリフレッシュ休暇中の平日だったことを思い出して、なんとなくソワソワとした。そもそも、今回は瀬戸内国際芸術祭2013のために高松まで来たが、折角なので讃岐うどんを食べたくなったので、その場で食べログで調べて、近くにあったうどん屋「味庄」にてきつねうどんを食べた。讃岐といえばコシの強い麺という印象があるが、ここのお店はそこまで固くなく、そのかわりに強烈ないりこダシの風味が楽しめた。東京に住んで5年近くになるが、やはりこの手のダシは関西風に限る。食べ終えた後は店主に挨拶をして、直島行きのフェリー乗り場の場所を教えてもらい、店を後にした。途中、コンビニで芸術祭の年間パス用のチケットとオランジーナを買って、港に向かった。

芸術祭ムードは高松港でも高まっている。至る所にのぼり旗や横断幕を見ることができるし、芸術祭を見に来たと思われる外国人バックパッカーなども多かった。大巻伸嗣のLiminal Air -core-と快晴の空を見上げながら、きっと良い旅になるに違いないと思っていた。

(続く)

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