写真の話(科学 or 芸術? 編)

シリーズ第3弾です。

今回は、写真を撮るということを、科学的な観点から解釈し直して、トレースベースな練習を積んで、写真の上達を目指す!っていうエントリーにしたいと思います。

具体的には、デジタルカメラで撮影された写真の電子データに含まれるEXIF情報から、写真のウマい人の技を盗むという練習方法をオススメ致します。

さて、芸術の秋も終わりかけで本当に肌寒い日々が続きますが、みなさん「芸術」って言うと何を思い浮かべるでしょうか。「絵画」、「彫刻」、「文学」、「音楽」、「音楽の授業」、「皆の前で歌わされる」、「ソプラノ系女性教師(巨体)」、「頭のテッペンから『ハァ〜っ』」etc・・・。
個人的には、この中に「写真」も含まれていると思っています。

一方、「科学」という言葉ではどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?個人的には、「研究」、「人間の営み」、「昔の偉人」、「理系科目」、etc・・・が思い浮かびます。
自分でも不思議なんですが、個人的には、ここにも「写真」が含まれていると思っています。

というのも、「写真を撮る」という行為は、「感性」に寄るところと「理性」に寄るところの両方があり、

  • 感性・・・何を撮るか
  • 理性・・・どう撮るか

に、切り分けられると思っています。

写真を撮るという行為は、前のエントリーにも書いた通り、

閉じていたシャッターを一定時間だけ開くことで、光をフィルムに当てる。

というシンプルな試行に帰着すると思っています。前のエントリーで敢えて「試行」という言葉を選んだのは、

同じ状況で、同じ設定で実験を行うと、同じ結果が得られる。

というのが大きな理由です。
要するに、同じ機材・同じ設定で、同じフレーミングで、同じ状況下(明るさなど)の被写体を撮ったとすると、
ほぼ同じ結果が得られます。
「何を撮るか」が決まった後では、素人でも上級者の方法論(「どう撮るか」)を真似できる、ということです。

これは、あきらかに絵画や彫刻などとは違う点だと思います。
(素人と上級者が同じ風景を見ても同じ絵は描けないし、同じダビデを見ても同じダビデは石から削り出すことはできません。)

考えてみれば、光を写真にする過程の中には、光の屈折や薬品の化学反応こそあれど、人間の手が加わる点はそこまでありません。

昔の偉人が行った実験パラメータを論文から参照し、同様の実験ができる。

この点で、写真は科学的だなーと感じます。

なので、このエントリーの中間地点として、

「『何を撮るか』はともかく、『どう撮るか』は昔からの実験結果があるので勉強可能なので頑張ろう!」

と結論付けたいと思います。

————–

次に、

どうやって昔の実験結果を知れば良いのか?

という説明に入ります。
その答えの一つとして、EXIF情報があると思います。
EXIFとは、

Exchangeable Image File Formatの略。
富士写真フイルムが開発し、JEIDA(日本電子工業振興協会)で標準化された画像フォーマット。既存の汎用画像フォーマットTIFFと、JPEGをベースにしており、デジタルカメラ向けの固有情報と運用規定を追加している。最新版はExif 2.2(Exif Print)。
カメラの機種、撮影日時、絞り、シャッタースピードなどの情報を画像自身に埋め込んであり、対応したツールを使えば誰でも簡単に見ることができる。
各社のデジタルカメラに採用されている。

Exifとは – はてなキーワード

要するに、最近のデジタルカメラで残した写真データには、方法として「どう撮ったか」という情報(シャッタースピード、絞り値、ISO値、使用レンズ、など)が沢山含まれているということです。

これは言ってみれば、昔の偉人の実験パラメータで、利用しない手はありません。

良い写真のEXIFデータを見る為に一番オススメするのは、flickrというウェブサービスを利用することです。flickrには世界中から沢山の写真がアップロードされていますが、下記の手順で、それらのEXIF情報を閲覧する事が可能です。

1. EXIF情報を見たい写真の左上部にある「Actions」をクリック、さらに出現するメニューから「View EXIF info」をクリック

2. ページが移動するので、下図の赤枠の部分に着目

(友情出演:ダダくん)

このように、気に入った写真が「どう撮られたか」を見る事が出来きて、それを真似するところから始められると思います。理系の研究で言うと、関連研究のサーベイという段階、絵を書く事でいうと、デッサン力(描画力・観察力)を鍛えてる段階でしょうか。

また、長くなってしまいました。。以下、まとめです。

———

写真を撮ることに、上手い・下手があるとするなら、一つの観点として、下記のようなパラメータがあると思われます。

  • 「何を撮るのか」・・・被写体、シーン選び
  • 「どう撮るのか」・・・ある被写体・シーンに対する撮影技術

特に、後者の方は非常に科学的で、「状況が再現可能」であることから、過去の写真のEXIFデータを見る事で、勉強する事ができます。
良い写真のEXIFデータを見るためには、flickrのEXIF閲覧機能の利用(上述)をオススメします。

4 thoughts on “写真の話(科学 or 芸術? 編)”

  1. 感動。
    カメラは科学と芸術の融合だったのか。
    すばらしい。
    どおりで好きなわけだw
    オレはかなり科学寄りなので、
    芸術寄りな観点での連載を楽しみにしています^^

  2. 科学的観点ではないんだけど、初心者の私は理性として
    撮りたい光景<肉眼で観たい!
    になっちゃいますw
    とりあえずEXIFみるのすごい好き!みんなの複雑で真似とかまだできないけど。。

  3. いつもこのシリーズを楽しみにしている読者です。

    なるほどーと感心してしまいました。
    科学と芸術!いい響きですね。

    そして友情出演ありがとうございます!!

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